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2011年10月3日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 パンソリ

KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/28)に、韓国の代表的な庶民音楽(国楽の代表選手!)の「パンソリ(판소리)について紹介があった。(まさに真打の出番といったところですね)

ところで、パンソリの名を聞いたことがあっても、具体的にイメージしたのは、映画「風の丘を越えて/西便制」(1993年)を見てからだろうか。また、NHKテレビで放送された歌謡ドキュメントで、歌手チョー・ヨンピルが、一転不遇の時代に、山にこもってパンソリを学び(血を吐くようにして)喉を鍛えたということを知った。

<パンソリの特徴>
パンソリの特徴についての解説から番組は始まった。
・「説話的なある物語を、ソリックン(소리꾼)といわれる一人の歌い手が、歌、語り、そして身振り手振りを使って表現する、演劇的な音楽」で、「コス(고수)と呼ばれるたたき手が、(プクという太鼓を使って)チャンダンを叩き歌にリズムを与えます。」とのこと。

▼イム・バンウルによる「春香歌」の中から「スクテモリ(쑥대머리)」を聴く。横恋慕の代官に抗して投獄された春香の切々たる思い。「垢にまみれし襤褸(ぼろ)まとい、蓬(よもぎ)と見紛う乱れ髪(쑥대머리)、顔は鬼神のごとくして、わびしき獄(ひとや)に独り坐し、思うは君のことのみぞ。会いたし、見たし、いとしきわが君。」(申在孝、東洋文庫)
他の方のパンソリをYoutubeで聴いてみれば、また印象が違って・・・。

<パンソリの構成>
パンソリの構成について、次の解説があった。
・歌い手ソリックンの歌を盛り上げるための、(たたき手コスによる)かけ声をチュイムセ(추임새)という。
・ソリックンからよい歌を引き出すには、コスだけではなく、観客も一緒に声を出して、場を盛り上げていかなくてはならない。
・パンソリでは、一に聴衆、二にコス、三に名唱といわれるほど。
・パンソリは、一般庶民の間で広く親しまれた芸能であるため、その歌には庶民の願いが込められているものが多い。

▼コン・デイルによる「フンボカ(흥보가興甫歌)」の中から「トンタリョン(돈타령)」を聴く。起伏に富んだ独り芝居といった軽快な感じだ。声が次長課長の河本準一に似て・・・。

<パンソリの歴史>
パンソリの歴史について、次の解説があった。
・およそ300年から400年ほど前に誕生したと言われている。
・当初は男性のみがソリックンを担当してたが、現在ではむしろ・・・多くの女性ソリックンが活躍している。
・以前あったとされる12の曲目のうち、現在まで残っているのは (흥보가)、沈清歌(심청가)、春香歌(춘향가)、赤壁歌(적벽가)、水宮歌(수궁가)の5つだけとなってしまった。

▼アン・スクソン(歌)、オルプガンプスィニック(サックスフォン)、キム・チョンマン(チャング)による「フンボがチョアラゴ」を聴く。現代風になると・・・身の置き処がなくて、いささか、もじもじしてしまう。

番組の最後に、「パンソリは、韓国の重要無形文化財第5号に指定されていて、2003年にはユネスコの世界無形文化遺産にも登録されました。」と語られた。

(Youtubeに登録のosinineに感謝)

(参考)
・パンソリの物語の他に、語源(パン:場、ソリ:自然の音+声)について、「パンソリ」(申在孝、東洋文庫)の解説で知った。
・パンソリの歴史資料について、「韓国の伝統音楽」(張師勛、成甲書房)で知った。
・その他インターネットの情報をリンクした。