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2013年10月22日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 稲刈り

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/16)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第27回として、稲刈り(벼베기)について紹介した。(先々週10/9は「ハングルの日」特別番組のため休止している)

まず、「米」に対する思いや共感の言葉の紹介から次のように始まった。
・咸敏復(ハム・ミンボク:함민복、1962年~)の詩「肯定的な飯(긍정적인 밥)」の初めに、「詩、一遍に三万ウォンでは/余りにも少ないのではと思いながらも/米二升だと考えたら/すぐに温かい飯となる」とある。農作業を経験したり、親の農作業姿を見たりすれば、この一節に共感できるのではないだろうか。
・昔の人は「飯が天(밥이 하늘입니다)」と考え、米を収穫するまで八十八の手が掛かると言われた。現代は技術が発達して、米はもちろん他の穀物も大量生産が可能となったが、生産者の思いは今も変わらないだろう。

▼南道民謡の「農夫の歌(농부가)」を聴く。ネットに朝鮮時代の歌とも・・・どこか洗練された歌い方・・・現地録音盤を聴きたいけれど贅沢かな。

次に米作りについて次のように解説された。
・米一粒の重さは、0.2ミリグラムほど。この一粒を作るために、農夫は春から秋まで休みなく働く。空から眩(まばゆ)い太陽の光と恵みの雨が、地には様々な微生物が、米作りを助ける。米一粒が農民の重みであり、宇宙の重みであるという言葉が、決して誇張されたものでないと感じ取れる。
・今この時期、稲刈りが最終段階に入ったところだ。例年に増して暑い夏、それだけに穀物の成長も良かった。実りを収穫する農民は、働く体は辛くとも、心はこの上ない幸せを感じているだろう。
・最近は収穫作業も機械化し、稲刈りから脱穀までその場で行うが、昔は人手で、鎌を使って一つ一つ稲を刈り取った。短時間に刈り取るためには、村中が一斉に駆けつけて働かなければならない。大勢の村人が集まって働くとき、農作業の合間に取る間食を女性が中心に準備し、子供もマッコリ運びにかり出されたという。

▼全羅北道金堤郡の「稲刈り唄(벼 베는 소리)」を聴く。いいなあ、汗臭いフレーズの繰り返しに一気に引き込まれる・・・こうでなくては。

最後に、のんびりした時代の農村風景が語られた。
・村中総出で刈り取った稲は3、4日間、田んぼの上に広げて乾燥した。さらに藁一束ずつまとめ、立てた状態で10日ほど乾かした後、庭に運んで脱穀作業を行った。一年の農作業の集大成が、無防備に田畑に広げられていたわけだが、昔は稲が盗まれる事件はなかった。農家の実りは、いつの時代でも喜ばしいものと言える。(今はいろいろやかっかいなこともあるようだが)

▼「告祀徳談(고사덕담)」を聴く。なんだか楽しくなる、めでたい・・・体も揺れるよ。