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2014年3月24日月曜日

イ・ソンヒのトロット・メドレー

トロットは韓国の「演歌」、歳をとれば帰りたくなる故郷のようなもの、老若男女に通底する琴線だろう。だから(昨日クラシックを、先ほどポップスを聞いたとしても)聴衆は手拍子を打ち、顔がほころぶ。大衆という名の土俗性へ、直截な民謡とは違った形で、回帰できる迂回路である。
イ・ソンヒは、そんなトロットを、いとも容易に聴衆を取り込みながら歌いこなすことができる。まさに「国民歌手」といわれる所以でもある。今年のコンサートの中でも、どんなトロット曲を聞かせてくれるのだろうか。

(本ブログ関連:”トロット”)

次のYoutubeで、イ・ソンヒが歌うトロット曲
・シム・スボン「愛しか私はわからない(사랑밖엔 난몰라)」
・ナフナ「ムシロ(무시로)」
・チュ・ヒョンミ「片想い(짝사랑)」


(Youtubeに登録の526apolloに感謝)

トロット(演歌)音楽の危機と機会

BreakeNewsの記事「トロット(以下”演歌”)音楽、伝統を生かす柔軟な思考が必要だ - 演歌音楽の危機と機会 - 演歌も変わってこそ生きる」(3/12、チョン・スギル韓国伝統歌謡振興協会副会長)は、韓国演歌の現状と今後について、世代論を含めて危機脱出の方策を次のように述べている。
音楽機会として、どうやら経済的ゆとりのある「アクティブ・シニア」に注視しているようで、そのための理論化を図っている。

世代は次のように分類される。
・20~30代
・40代: 第2次ベビーブーム世代:1968~1974年生まれ
・50代: 第1次ベビーブーム世代:1955~1963年生まれ
・60~70代: 老年(シルバー)層
⇒ 50~70代: ベビーブーマーとシニア層の中に現れた「アクティブ・シニア(Active Senior)」世代

中ほどから、論旨が格調高くなるが気軽に読んでみよう。

(本ブログ関連:”世代”)

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現在、演歌の主受容層は、中高年と老年層だ。現在の中高年層に属しているベビーブーム世代(第1次ベビーブーム世代:1955~1963年生まれ、第2次ベビーブーム世代:1968~1974年生まれ)だけにしてもわが国(韓国)総人口の4分の1を占めている。

■ アクティブ・シニア(余裕ある50~70代)を攻略せよ

これらベビー・ブーマーとシルバー層の、容貌、健康管理、ファッション、文化生活などに投資を惜しまない50~70代を意味する「アクティブ・シニア(Active Senior)」は、最近の流行と消費の流れを大きく主導している。以前は、新しい流行を作る年齢帯が20~30代だったが、最近になって変わっている。

したがって、すぐにこれらを音楽ビジネス機会に積極的に活用できる先制的マインドが必要だ。すでに、代表的な成功事例が映画業界だ。映画鑑賞は、決まった時間に、決まった場所に直接移動しなければならない、実践的行為を前提とする。インターネットを通したダウンロードもあるが、劇場売上げと満足度は顕著に違う。映画産業体では、すでに中高年層と60~70代の感性に適合したコンテンツを細かい企画力と投資、色々なプロモーションを動員して非常に攻撃的マーケティングを活発に進めている。

すなわち、アクティブ・シニアをターゲットとした、直接体験が可能な公演形態(本格演歌ミュージカルや新しいフォーマットのライブ・コンサート、あるいはオンラインと結合したミュージック・コミュニケーション ビジネスなど)を模索して、挑戦しなければならない。音楽は、エネルギーだ。水が媒質になって波が伝えられるように、音楽は缶詰音楽(CDなどの媒体に監禁されているという意味で)で、感じることはできない現場の生き生きしたエネルギーの波動を通じて、直接的に生気を受ける。

実際に、アプローチがさらに容易になり完成度を高めることができるならば、公演は、演歌が指向しなければならないより一層重要な活動の一つになることができる。ニッチマーケット(隙間市場)次元でない。良い公演コンテンツの一つは、レコード会社も生かして、業界全体を活性化させることができる。人々はなぜ映画、美術、文学または、音楽のような文化活動を時間とお金をかけて消費するのか。

大層な文化論的アプローチではなくても、それは、平凡な日常で、あるいは平坦でない人生のプロセスで、自身の他にまた他の経験と経験者を通じて、現在の私の人生を振り返ってみて、新しい自覚あるいは自身の考えに対する確信を得ようとするからである。文化商品の生産者は、それを満たすため、100%成功の保障がないのに、最も効果的な技法と手法を使って、絶えずコンテンツに対して苦心して施行しなければならない。

ここで、もう少しだけ(この課題に)具体的に入ってみよう。文化コンテンツ生産の基本的認識の出発点は、「疎外(不慣れにすること)」や「受容(確認受け取ること)」、そして常識的な感性や考えを刺激する「危機にさらすこと」などだ。考えてみて欲しい。ただ、どこででも感じることができたり、手に入れることができるわずかなものなどならば意味がない。

なじみのものをひっくり返して疎外することによって、好奇心を誘発したり、自身が疑問を持っていたことについて、他人と共に共感したり、さらに、固定化された考えと行動を果敢に指摘して、崖に立って自分の省察の機会を提供したりする、破壊的表現などは、失敗しかねない危険な領域であるにもかかわらず、人々に混乱と加えて新しい秩序到来の喜びをプレゼントする。

■ 攻撃的戦略が必要

これを演歌産業に適用してみよう。すでに演歌音楽に対する特性に言及したが、現業界のマインドを一言でいうなら、いわゆる「メンタル崩壊」状態である。現状況に対する認識と、それにともなう対処能力不足、そんなために仕方ない過去慣行の踏襲、そして何より未来ビジョンの不在などが点在している。

それでも坐り込んでいることはできない。このような現実に対する、速い認識の下に取れる方法は、既存の演歌愛好家にすでにおなじみの歌と内容をバージョンアップしたり、確実に疎外することによって注目を集めたり、戦術によっては、衝撃的な争点を提供する攻撃性を帯びたり、あるいはこのようなすべての要素を適当に対処することが必要である。

誰が分からなくてしないのかと言えるが、話そうと思う要旨は、結局空中から眺める鳥の視点(Bird's eye shot、鳥瞰)から、流れの全体を読みながら、必要な戦略を適切な人物によって、成功の確率を高めることにある。すでに話したように、映画では成功事例が続いていて、演歌業界では試みが目立たないところに問題がある。

当然、エンターテインメントの成功は、幸運をはじめとする遥かに多くの要素が複合的に絡まっている。そうだとしても、最善は存在して、暗鬱なトンネルを抜け出す契機になれるはずだ。  
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