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2014年6月17日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 韓服

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/11)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第60回として、民族衣装、とりわけ女性の「韓服(한복)」にまつわる話を紹介した。

始めに、「春香伝」の情景から、韓服のイメージを次のように紹介された。
・昔、韓服姿で、人の丈よりも長いブランコ(그네)に乗る風習があった。「春香伝춘향전)」は、このブランコから恋が始まる。

(本ブログ関連:”春香伝”)

・ある端午の節句の朝、南原(남원)地域の官職の息子、李夢龍(이몽룡)は、ある晴れた日、広寒楼(광한루)に出かけた。ここが春香伝の舞台となる楼閣だ。華やかな花吹雪の間を、何かが行き来する。ブランコに乗る妓生の娘春香(춘향)の姿だ。雪のように舞う花びら、そして杏子の花が春香の服に触れながら落ちる。春香がまるで踊っているように見えた。二人は互いの運命を感じ、恋がここから始まる。春香伝は、今もパンソリ、小説、映画などで広く親しまれている。

▼ パンソリ春香歌から「春香鞦韆(춘향 추천)」を聴く。鞦韆(ブランコ)は揺れているのか・・・随分と力が入っているような。

次に、韓服チマチョゴリ(치마 저고리)の歴史について、次のように解説された。
・チマチョゴリで知られる韓服のチマはスカート、チョゴリは上着を指す。韓服は、全て同じようなデザインに見えるが、流行に敏感だ。素材、チマの幅や、チョゴリや腕の長さ、チマとチョゴリの色合いなど多様な組合わせがある。高句麗壁画の中の民族衣装は、現在の韓服とデザインが違う。上着のチョゴリが尻を隠すほど長く、結びひもの代わりに帯のようなもので固定させていた。若干変化はあったものの、朝鮮初期まで続いたようだ。今知る韓服は朝鮮中期、後期になってから出来あがった。

▼ 界面(계면)篇數大葉(편수대엽)、「モシルル(모시를)」を聴く。女性が、細やかに紡いだ麻糸でゆっくりと織るよう。

最後に、韓服チマチョゴリのデザインの変遷について、次のように説明された。
・朝鮮中期、韓服デザインも変わる。チョゴリは短く、裾の周りはラウンド型になった。襟や袖、首や脇の部分には違う色の生地を当ててポイントを与えた。朝鮮後期になると、チョゴリは胸元よりも短くなり、袖は上着を切らないと脱げないほど幅が狭くなる。この流行を主導したのは、男性の目を引き付けようとした妓生だ。すぐに両斑(上流階級)にも広がるが、学識者(ソンビ)の李徳懋(이덕무)は、流行の批判を「青荘館全書」に残した。他方、男性の中には自分の妻にも勧めたという記録も残っている。

▼ 西道地方(平安道、黄海道)の「西道アリラン(서도아리랑)」演奏を聴く。どうしてもソ連風に聞こえてしまう。