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2016年9月30日金曜日

巾着田の曼珠沙華

近くの小学校の垣根に、曼珠沙華が真っ赤な花弁を黄緑の茎だけで支えるように咲いてた。その姿の艶やかさと危うい連想から、小学校の垣根にそぐわないのではと気に掛かる。ちょっと目を離したすきに、そんな曼珠沙華の花が萎れて黒ずみ始めていた。

(本ブログ関連:”曼珠沙華”)

今日、曼珠沙華の群生で知られる、埼玉県日高市の西武秩父線「高麗駅」近くにある、「巾着田」へ行く。どんよりした天気のせいか、心弾む感に乏しい。今期見落としのないよう、今の内にと駆けつけた次第。

(本ブログ関連:”巾着田”)

高麗川が大きく蛇行してできた巾着田を囲むように、「巾着田曼珠沙華公園」がある。その上流エリアの入り口で入場料を払い入園した。辺りに群生する曼珠沙華は、茎を残して既に花弁を枯らしていた。遅過ぎたことを後悔する。

入り口受付で、「一番奥まで行ってください」との言葉にしたがい、曼珠沙華の小道を巡り歩いた。ようやくたどり着いた下流エリアには、多分遅咲きだろう、曼珠沙華がある程度だが咲いていた。写真の光景は、そんなわけでラスト・チャンスかもしれない。

以前、この公園を曼珠沙華の真っ赤な冠が覆っていたのを知っていただけに後悔した。それに、巾着田の中央にある、コスモス畑が台風のせいで見る影もないのが残念だ。もっと早めに来ていたら、どんなに素晴らしかっただろう。

2016年9月29日木曜日

イ・ソンヒの詩 「片思い」

イ・ソンヒの自作詩朗唱集「去る者だけが愛を夢見ることができる(떠나는 자만이 사랑을 꿈꿀 수 있다)」(1990年)に所収の「片思い(짝사랑)」がYoutubeに登録されています。どうです、この可愛らしさは、イ・ソンヒでなければつとまりません。そして、それをカセットテープで聴いていた女高生たちがいたなんて、セピア色したドラマの一場面を髣髴させます。

(本ブログ関連:”イ・ソンヒの「去る者だけが愛を夢見ることができる」”)


私に あなたがどんな意味なのか
あなたは お分かりにならないでしょう

けれど あなたが分からないといって
悲しがったり しないつもりです

ただ あなたが居るところに 私の
暖かい 祈りが届くように願うだけです

ひとりおぼつかないときは
もっと多くの勇気を振るうつもりです
もっと多くの愛で 立っているつもりです

初めてかなわぬ困難が
私の心にいっぱいだけれど

その心は全てあなたに向かっています

ひとり 愛が折れそうにさまよいます


(Toutubeに登録の이원호に感謝)

2016年9月28日水曜日

金木犀

この時期、街を歩くと金木犀(キンモクセイ)の香りがする。地味な常緑樹に、隠れるようにオレンジ色の花を咲かす。このときだけは存在を思いっきり示すよう、辺りに香りを漂わす。地元公園にある野外博物館の前には、二つの大きな金木犀が立っている。こちらは、威容を誇る立派なものだ。

(本ブログ関連:”キンモクセイ”)

金木犀の香りは、若い頃にはちょっと苦手だった。甘くて重い、正直年増な感がしたものだ。今は、それに合わせた歳になったというより、自然の芳香として素直に受け入れる余裕ができたようだ。

金木犀の別名(中国名)に「桂花」の名がある。以前書いたことだが、新宿の「桂花ラーメン」を思い出す。ただし、このラーメンと金木犀の香りは全く別である。先日、新宿の大型書店近くの桂花ラーメン店に寄った。懐かしい味だ。

今日の午後、曇り空の下、体操教室の帰り道に金木犀の香りがした。姿がすぐに見つからない。そうなると見たいもの、どこかの庭木にあるはずと探しながら歩いた。香りが再びして、金木犀の花を見つけた。安堵した。

KBS WORLD「国楽の世界へ」 手紙

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/21)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<手紙>に関連する3曲を紹介した。

始めに、【柳致環(유치환、1908年~1967年)の詩と】手紙では満足しない女性の詩について次のように紹介された。
・高く澄み渡った秋空に、涼しい風まで吹くと心がそわそわする。【愛することは、愛を受けるより幸せという、柳致環の「幸せ(행복)」の詩が浮かぶ。】 誰かに手筆の文を書きたくなる季節。手紙や葉書を受け取ってくれる人がいるのも、幸せなことだろう。
・ところで歴史に、手紙でなく直接訪ねて来てと、詩に書いた女性がいる。手紙だけでは、その心が分からないという内容だ。

▼ 上記女性詩を歌った「手紙-他者に手紙を任せないで(편지-남하여 편지 전치말고)」を聴く。女性的で柔らかく今風に。

・今は、会いたい人がいれば海外でも制約がない。テレビ電話もある。昔は、手紙しかなく、どんなに遠くても誰かが直接届けた。手紙も嬉しいが、やはり直接来てくれた方が嬉しかったはず。そんな気持ちと寂しさが入り交じって、詩を作ったのだろう。

次に、パンソリ「春香歌(춘향가)」で、春香が李夢龍(이몽룡)への手紙を使いに託す話について次のように紹介された。
・行きたくても行けない人の心は、どんなに切なかったろうか。パンソリ、「春香歌」にも、そんな内容がある。獄中の春香は、李夢龍が来るのを待ち望みながら手紙を書く。それを使いに渡すと、使いは漢陽(現ソウル)に向かう。途中、官職(御史)についた李夢龍とばったり会うが、彼に気付かない。李夢龍がみすぼらしい姿をしていたからだ。春香が心配な李夢龍に対し、使いは無駄な冗談ばかり言い、李夢龍はどんなに気を苛立たせたろうか。

▼ パンソリ「春香歌」から、「御史(李夢龍)が春香の手紙を読む場面(어사또 방자 만나 춘향이 편지 읽는 대목)」を聴く。

最後に、パンソリ「沈清歌(심청가)」で、皇后になった沈淸が父を想う場面について次のように紹介された。
・パンソリ、「沈清歌」にも、手紙にまつわる悲しい場面がある。秋の月明かりが庭に満ちる「秋月満庭(추월만정)」の場だ。親孝行な娘沈清は、父の目を治すために印塘水(인당수)の海に身を投じる。彼女は生き返り皇后となったものの、故郷の父が、娘は死んだものと思い、どんなに心を痛めていることだろと心配で仕方ない。また、目が不自由で食事も心配だ。皇室にいても気が楽でない。月が明るい秋の夜、一人庭にいると渡り鳥の群れが見えた。沈清は鳥に手ぶりをして、自分の手紙を父に渡してくれと言う。でも、涙が溢れ、手紙を書き終えることができず嘆く場面だ。

▼ パンソリ「沈清歌」から「皇后の沈淸が父を想う場面(심황후 부친생각 대목)」を聴く。

・この場面は「沈清歌」中、最も悲しい場面とされる。手紙を書き終えて窓を開けると、渡り鳥は既に去っていた。そんな切ない場面が浮かぶ。

2016年9月27日火曜日

曼珠沙華

今日も陽射しが強い。残暑というには遠に過ぎているのに、日中、頭上から太陽は襲いかかるように熱射を浴びせる。クラクラする。秋を忘れる日がまだ続くようだ。

先日、小学校の隅に見た、一群の「曼珠沙華(ヒガンバナ)」は、今はずらりと咲き並んで垣根を飾っている。年々増えているように思える。もしかしたら、垣根を覆うかもしれない。

(本ブログ関連:”曼珠沙華”)

そういえば、曼珠沙華で知られる埼玉県日高市にある巾着田へ行こうと考えながら、ここ数年足が遠のいている。其処ほどに、曼珠沙華が地元小学校の垣根に咲き広がったら圧巻だろう。とはいえ、この花のいわれから、それが正解なのか気にもなるが。

Youtubeに、巾着田に曼珠沙華が咲く映像を探した。今年はぜひとも行って見たい。それから、紅に染まった曼珠沙華の光景を見ると、仏教的な静謐より、なぜか石川小百合が歌う妖艶な「天城越え」を思い出す。


(Youtubeに登録のAQUA Geo Graphicに感謝)

2016年9月26日月曜日

イ・ソンヒのCFメーキング映像

昨日といい、今日といい、そして明日も<真夏日>並みの高温だそうだ。さんざん長雨といってきたのに、秋の空は解しかねる。今日も本当に暑かった。

今月初め(9/4)、イ・ソンヒのコンサートの終わりに、会場出口の玄関近くにおばさん(アジュンマ)たちの長蛇の列ができていて、彼女がCFに登場した中高年女性向けの健康食品サンプルを配布していた。そこには、コンサート鑑賞のときと違った熱気が俄然漂っていた。アジュンマパワーだ。

(本ブログ関連:”イ・ソンヒ 22年振りにTVコマーシャル出演”)

「健康食品専門企業のチョンホ(泉湖、천호)食品の女性健康機能食品である 『ウーマン・ソリューション』 の単独モデルとしてTV広告を撮影して、このTV広告は(8月)17日から放映されている。」(8/17、聯合ニュース)

たまたま、Youtubeを見ていたら、同商品発売元のチョンホ食品が登録したらしい、TVCFのメーキング映像と巡りあった。映像は、彼女のファン御用達かもしれないが、つい見てしまう。(ファンでない人にすれば、そこまで見たい?と、あっけにとられるやも)

※ このYoutube映像を「イ・ソンヒ 彼女に出会う(이선희 그녀를 만나다)」としているが、彼女のヒット曲、「その中であなたに出会って(그 중에 그대를 만나)」のタイトルを、少~しだけ意識したのかもしれない。

コンサートへ行った土産に、この「ウーマン・ソリューション」でも思ったが、中高年女性を意識したものであり、それをおじさんが面と向かって説明したら・・・どう思われるやも知れず、少々ひるんでしまい断念した。


(Youtubeに登録のchunhofoodに感謝)

2016年9月25日日曜日

超辛い焼きソバ 日韓交流おまつり 2016

昨日と打って変わって、今日は朝から陽射しがある。久し振りの晴れ空、思いっきり換気する。乾いた空気が屋内を駆けると気分がいい。そんな昼前、日比谷公園で開かれている「日韓交流おまつり2016 in Tokyo」に出かけた。思いのほか暑い。

(本ブログ関連:”日韓交流おまつり ”)

天気がいいと、連日と違って歩行がスムーズ。鬱陶しさもない。こんな風に歩くのを忘れていたみたい。地下鉄霞ヶ関駅から地上に出ると賑やかな物音がした。祭りの音かと思いきや、日比谷野外音楽堂のコンサート準備のようだった。

先日のドイツビール祭りの「オクトーバーフェスト」と同じ公園の一角に、ちょっと広くした「日韓交流おまつり」が開かれていた。客も上々の賑わい、ロックバンド演奏が祭りらしさを盛りたてていたが・・・おじさんの耳には少々響く。さっそく会場入口で食事用クーポン券を購入。

広場を囲む複数の売店を巡り、昼食代わりに(辛味の)焼きソバを購入。これが恐ろしく辛い、あわててトウモロコシ茶を飲むが、食べ終わるのに時間がかかってしまった。会場隣りの芝生の広場では、観光案内や韓国語書籍売り場、紙工芸体験コーナーなどが開かれていた。例によって、韓国全図の観光ガイドマップをいただく(マップは何かにつけ役立つ)。

長居することなく、雰囲気だけ充分感じて会場を離れた。なにしろ、ジャケットに汗が滲んでくるほど暑かった。

2016年9月24日土曜日

東京国際ブックフェア 2016

朝から小雨がぱらつく。それでも昼過ぎ、東京ビッグサイトの「国際展示場」でも催されている「東京国際ブックフェア 2016」に出かけた。JR東京駅から東京ビッグサイトまでバスに乗る。例年と違う道順で、初めての試みだ。でも考えてみれば、昔の通勤路とダブっているだけ。

(本ブログ関連:”東京国際ブックフェア  20092010201120132015”)

バスは本降りの中を進んだ。そんな天気にもかかわらず、ブックフェア会場は人々で溢れていた。本の何が欲しいと決めているわけではない、ひょんな出会いを楽しみに来ただけ。子ども向け絵本や図書、会場が充実していたのに驚き。本離れを防ぐには、まず子どもから本に親しめよう。

会場に入ってすぐ、小さなスペースで著者によるトークが行なわれていた。ふと立ち寄って聴いてみれば、先日ブックオフで入手した見開き2ページ程度の言語学談話集ともいえる「ポケットに外国語を」(ちくま文庫)の著者、黒田龍之助氏だった。以前にも何冊か図書館で同氏の書籍を読ませていただいている。今日のトークは、新著「寝るまえ5分の外国語 語学書書評集」(白水社)をもとに、語学学習のポイントを紹介された。同書は語学書の書評というスタイルで、おもしろネタ満載だ。語学マニアにはたまらない本だろう。また、著者が著した一般向けの書名は、どれもウイットに富んでいる。

例によって、地学関連の本も入手した。① ヴィクトリア時代風の手書き鉱物図鑑に描かれた鉱物標本図をずらり並べた小冊子「美しいアンティーク 鉱物画の本」(山田英春編、創元社)、② 1991年の火砕流で多大な被害をもたらした長崎雲仙普賢岳を含む島原半島のジオパークを紹介した「長崎漩学7 - 島原半島ジオパークをひと筆書きで一周する」(寺井邦久編著、長崎文献社)。

ところで、今回も洋書(英語中心、一部に独仏あり)と、音楽CD(主としてクラシック)の売り場が賑わっていた。CDは以前の驚くような超廉価販売に戻っていた。ここのCDに、若いときに出会っていたら、きっと購入しただろう。これまで、レコード屋で入手したLPやCDの総額と比べたら・・・なんて、ため息ついて考えずにおられない。(クラシック音楽雑誌にのめり込んでない程度にファンだったら、つまり能書きしないノーマルなファンだったら、ここで充分だろう)

帰宅する頃も、相変わらず雨は降り止まず。本当に長雨だ。

2016年9月23日金曜日

(参考)地震と原発 : 中央日報の社説

本日(9/23)付け中央日報(日本語版)の社説、「原発密集地域の(韓国)東南圏の地震不安解消が必要」は、先日慶州で発生した地震に関連して、付近の原子力発電所への影響について次のような懸念を記しているので抜粋する。(韓国紙: 9/22

韓国では、日本の「震度」と違う尺度である「メルカリ震度階級」を使っているが、ニュース記事であまり目にしない。もっぱらマグニチュードを使用している。震度は、その地域の地質と関連する<体感>で、その土地なりの振動の強さを示すもので、防災の目安にもなるように思う。そして、断層があれば、その存在を示すことの方が、「活断層」かどうかの論議より(或いは同じく)、住民に警戒を促す契機ともなり有意かもしれない。

(本ブログ関連:”韓国の地震 ”)
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・慶州周辺で1週間の間にマグニチュード5.8の歴代最大地震とマグニチュード4.5の余震が発生し、国民は不安を抱えている。慶州を含む東南圏が韓国最大の原子力発電所密集地域だからだ。 ・・・

・今回地震が発生した梁山断層の他に近隣の日光断層月城断層も地震発生の可能性がある「活性断層」という政府報告書が作成されたという一部の報道はそうした点で大変な関心を集めている。韓国地質資源研究院が2009年から3年間研究した内容を基に2012年に消防防災庁に報告した内容だという。

・韓半島(朝鮮半島)の地図に原子力発電所の配置図と「活性断層」を重ねてみると驚くべき結果があらわれる。原発8基が集中していて2基が追加建設予定の古里原子力発電所日光断層から直線距離でわずか5キロメートル離れたところにある6基が集中する月城原子力発電所蔚山断層から遠くない。地質学的に安心しがたい地域に原子力発電所が密集していることは国民を驚かせるのに充分だ。

・活性断層の存在も問題だがその後の措置は「人災」水準だ。韓国地質資源研究院は2012年に政府用役研究を遂行した際に梁山断層が活性化したという結論を下したがこれを公開しなかった。 ・・・ 政府が近隣に新しい原子力発電所を建設するたびに梁山断層が活性化していないと主張してきたのだから尚更だ。

梁山断層が活性断層という主張は1983年にソウル大学のイ・ギファ名誉教授が初めて提起した。 ・・・ それでも政府は安全性を確認できる追加的な精密断層調査もせずにこの一帯に原発を14基も建て、今も新古里原子力発電所5・6号機を追加建設中だ。    ・・・

・当然地震が発生した梁山断層を始め日光断層月城断層など東南圏地域に対する精密な地質調査を迅速に実施しなければならない。 ・・・ これと共に耐震関連施設の補強も急ぐべきで、災難対処マニュアルも再点検しなければならないだろう。韓半島地震時代という新しい状況に合わせて原子力発電所安全システムを新しく設定する時だ。
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2016年9月22日木曜日

秋分の日 2016

今日は秋分の日であり彼岸の中日だ。昼夜が中分で、彼岸も折り返しになる中庸の日、なんて言葉つなぎしてしまう。やっぱり仏心とはほど遠い。お天道様は雲に隠れて、その下で秋の長雨は続くし・・・。

(本ブログ関連:”秋分の日”)

長雨は屋内に湿気をもたらす。最近の家は窓辺が小さい。施工に防湿が施され、除湿はエアコンをフル稼動させているのだろう。昔は、自然の風通しをよくするため家中開け放っていた。湿気を通り抜けさせるようなもので、家全体を壁で覆うという発想はなかった。今は、耐震のためだろうか、小さな窓が目立つ。よほど高級な家でない限り、縁側のある造りにお目にかからない。

秋雨を秋霖というと、遠くにある林が小雨に煙ってるようで、モヤモヤ感がして長雨らしさが増す。電燈のない昔、秋霖の時期でも家に明かりを取り入れて、気分が滅入ることのないよう工夫したことだろう。考えてみれば、何もかもある今と違って、物は最小限だったはず。どの家も物持ちだったこともない。

長雨は鬱々とさせる。気分転換してみたいもの。そんなとき、さらりと言ってのける詞がいい。イ・ソンヒの12集に所収の「I Have To Say Goodbye」(2001年、作詞:イ・タギョン、作曲:チョン・シロ、編曲:ユ・ヨンソク、パク・ヨンス)は旋律と詞が間逆。ほんの気紛れだったなんてねえ。あっ、これも鬱々しそう。

(本ブログ関連:”イ・ソンヒの「I Have To Say Goodbye」”)


あなたを愛したんじゃないわ、ただ酔ったのかしら
すれ違いはいやだったの、初めは本当にそうだった
電話を待ったりもしたわ、こっそり隠したときめき
あなたのその眼差しの中で、道に迷ってたわ
*
だけど、私には久しく一緒だった
人がいるって、知ってるじゃないの
私が全てである、彼をどうするの
しばらく(あなたと)一緒だった、時間を忘れて

now I have to say goodbye

互いを消さねばならなくて
うろたえさせないで
私の久しい彼を捨てられない

あなたを忘れたいの

(*以下繰り返し)


(Youtubeに登録のlys2187に感謝)

2016年9月21日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 秋夕

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/14)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、秋に夕という漢字を組み合わせた節句<秋夕(추석)>に関連する3曲を紹介した。

始めに、「秋夕」に食べる餅(松餅、송편)作りや、コムンゴ名人百結(백결)と彼の妻の伝説について次のように紹介された。
・昔、節句の「秋夕」を控えて、最も忙しい所は精米所だった。秋夕に食べる「松餅」作りのため、水にひたした米を平らな容器に入れて精米所へ向かい、精米の列を待った。きめ細かく粉状にした米を背負い戻って、家族みなで松餅を作る。手間どる作業だが、貧しい人々には、それも羨ましかった。コムンゴ名人の「百結」の妻は、節句を控えて米を買う金がなく、近所で穀物をつく音を羨ましがったという。人々は、餅を作る米があるだけでも先祖に感謝した。最近、餅は作るより買う方が多い。でも、家族が集って話しながら馳走を準備するのは、それだけでも大きな意味がある。

▼ 穀物をつく臼(방아)の歌、「搗米打令(방아타령)」の歌を聴く。随分せわしく軽快、農作業の場面を知りたい。

次に、秋夕の先祖に捧げる儀式における、感謝と祈りについて次のように紹介された。
・今年の農作は、大きな被害を受けず済みそう。天と地、曇と風、適切な気温と天気のおかげだ。人々は、これを先祖のおかげとして、節句の「秋夕」に、先祖に捧げる素朴で心が込もった儀式をする。今年の初収穫物を先祖に捧げ、感謝の心を表す。本格的な収穫までは時間がかかる。一時も安心できないのが農作業で、残りも台風など被害のないことを祈る。

▼ ソウル近辺の江華島の稲刈り歌、「江華稲刈り歌(강화 벼 베는 소리)」を聴く。素朴な農作業の歌がいい。

最後に、秋は海も収穫の時期でもあり、漁の作業に歌が歌われることについて次のように紹介された。
・秋の収穫は陸だけでない。海も海流が変わり、魚の量や種類も変わってくる。漁師にとっても忙しい時期だ。共に歌を楽しむのは幸せなことだ。舟歌は、作業ごと、段階ごとに色々な種類の歌がある。海で使う綱をないながら歌うもの。櫓を漕いで海に出て行き、網を張る歌。適当な量の魚がかかると、今度は網を引く。ここにも歌がある。歌を歌うのは呼吸を合わせること。すなわち、同じ舟に乗って生死を共にすることだ。そして舟に魚がいっぱいになると、家に戻るとき歌を歌う。

▼ 大漁に楽器を騒がしく大きな音で演奏し歌う、北方の西道地域の「舟歌打令(술비타령)」」を聴く。洗練されている。

2016年9月20日火曜日

イ・ソンヒの「愛してます 母さん」

誰もが母から生まれる。そのことは母の自信であり、子の安心である。母と子の絆は、変わることがない、永遠で絶対的なものである。母の愛は、存在の証明であり、世界の肯定につながる。宗教的な心情を裏打ちする根源ともなる。

ところで、男は母に対してマザコンであるが、それを隠して女性を求める。女性は男のマザコンを嫌いながら、息子のそれをよろこぶ・・・。

イ・ソンヒのキャロルアルバム「私たちの物語(우리들의 이야기)」(1991年)に所収の、「愛してます 母さん(사랑해요 엄마)」(作詞キム・ミンジョン、作曲ソン・シヒョン、編曲ピョン・ソンリョン/ユ・チヨン)は、慈愛に満ちた母の眼差しと、それを受けて安堵する子の思いを聞かせてくれる。

(本ブログ関連:”愛してます 母さん”、”母の日2015”)


愛してます 母さん、母さんのその微笑を
愛してます 母さん、母さんのそのすべてを
*
隠れたその笑顔の裏に 麗しい皺(しわ)の刻まれたその顔
私にくださった その愛で世界を愛します

愛してます 愛してます
母さんの顔だけ思い浮かべれば 私の心は平和です

(* 以下繰り返し)


(Youtubeに登録のKoreanMusicSubsに感謝)

2016年9月19日月曜日

(参考) 韓国原発密集地域の地震

祝日の「敬老の日」の今日、先週土曜日から数えると実質3連休のようなもの。しかし、近傍の休日の「秋分の日」は、明々後日(9/22)となるため、連休が続かない。ハッピーマンデー制度を活用した「敬老の日」だが、「秋分の日」の休みと隔たり、今年の「シルバーウィーク」は少々残念のよう。一日中、小雨止まず。

ところでお話し変わって、先日(9/12)の韓国慶州市付近で発生した地震による、同地域沿岸に密集する原子力発電所への影響について、ハンギョレ新聞(日本語版)の記事、「韓国の原発は密集度世界1位、古里原発の周辺人口は福島の22倍」(9/19、ファン・ボヨン記者 / 韓国語版、9/13)は、東日本大震災の福島原発の破損と対比しつつ、次のように解説している。(抜粋、一部改行)

(本ブログ関連:”韓国の地震 ”、”原子力発電所”、”3.11東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災)”)

(追記) 本日(9/19)午後8時33分58秒:  慶州市付近で M4.5 の<余震>発生
           - 聨合ニュース、「韓国・慶州付近でM4.5の余震 ソウルなど全国で揺れ」(9/19

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古里原発8基「世界最多」にもかかわらず/政府は2基追加建設を承認 
半径30キロ圏内に380万人が居住 
月城原発、ハンウル(旧蔚珍)原発、ハンビッ(旧霊光)原発も10位以内 

25基のうち19基が集中している東南部一帯に/60あまりの活断層が分布 
「強震に襲われれば大災害」警告

(図) 原発密集地帯周辺の地震(規模5.0以上)現況と世界上位10位の密集原発団地

        慈仁断層(자인단층)
        密陽断層(밀양단층)
     ★梁山断層(양산단층)
     ★牟梁断層(모량단층)
        延日構造線(연일구조선)
        東莱断層(동래단층)
        日光断層(일광단층)
        蔚山断層(울산단층)
        大韓海峽断層(대한해협단층)   ← 大韓海峽=対馬海峡の韓国側名称

・12日夜に発生した観測史上最大規模の地震は、韓国の原子力発電所(原発)の密集度が世界で最も高いということが重なり一層不安を高めている。韓国は原発の国土面積当たりの設備容量はもちろん、(原発)団地別の密集度、半径30キロメートル以内の人口などすべて世界1位だ。・・・

・世界で原発は30カ国189団地448基が運営されている。13日、原子力安全委員会が2014年に国会に提出した資料「原発密集度国際比較」によると、
韓国は国土面積9万9720平方キロメートルに、8万721メガワットの発電容量の原発を稼動しており、密集度が0.207だった原発を10基以上保有している国の中で最も高い
- 2位の日本は0.112で韓国の半分の水準だ。
- 原発100基を運営し、最も多くの原発を保有する米国も密集度は0.01であり、韓国の20分の1に過ぎない。
この比較を進めていた当時、韓国は原発23基を運営中だったが、現在は25基に増え、密集度は0.282(今年6月基準。エネルギー正義⇒定義行動分析)となり、より高くなった。

・原発団地別に見た密集度はさらに深刻だ。環境団体グリーンピース・ソウル事務所は「8基ある古里原発はすでにカナダのブルース原発とともに世界最多の原子炉密集団地というタイトルを持つ」と明らかにした。特に設備容量を基準にした場合、古里原発は8260メガワットであり、ブルース原発(6700メガワット)を凌駕する。古里原発は半径30キロメートル以内の人口も380万人にのぼる。「全世界で原発が6基以上集まっている団地の中で、周辺に人間が最も多く住んでいるところ」とグリーンピース側は説明した。古里だけでなく、月城ハンウル(旧蔚珍)ハンビッ(旧霊光)など、韓国の全ての原発団地が世界最多の原子炉密集団地のうち10位以内に入る

・・・・韓国は日本より地震発生率が低い方だが、一度事故が起こればそれによる危険性が数十倍大きくなり得るという話だ。何よりも古里原発の半径30キロメートル以内に住む住民が多いという点に専門家たちは注目している。福島原発(約17万人)に比べると22倍も多い。

・このような事情にもかかわらず、政府は6月に新古里5、6号機の建設許可を承認した。古里の近隣地域にはすでに8基あるが、10基に増えることになる。グリーンピースは「釜山、蔚山、慶州が位置する朝鮮半島東南部地域には、およそ60の活断層がある。地震を引き起こす恐れのある活断層が韓国で最も多く分布しているところに原発を新しく建設するのは危険な決定」と警告する。・・・
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2016年9月18日日曜日

ぶらり散歩、オクトーバーフェストほか

この一週間、晴れ空はたった5、6時間しかなく、そのほとんどを昨日が占めたという。今日から<秋の長雨>に戻る。

昼過ぎまで曇りとのことで、多少の小雨を気にせず、日比谷公園で開かれている「オクトーバーフェスト」(9/9~9/19)に出かける。ドイツのビール祭りにちなんだもので、日比谷公園の一角をビール銘柄の売店が囲んでいた。客は、ビールを飲み、ソーセージや肉料理を食うことに専念する。小雨がつづくため、ひとびとは大型の傘やテントに避難して黙々と飲食していた。

(本ブログ関連:”ドイツ”)

せっかく訪れたというに、おじさんは興が乗らず、そのまま会場を後にしてJR有楽町駅まで歩いた。この頃には小雨も止んだ。

おもしろい映画でもないかと有楽町マリオンに寄ったが、関心をそそるものがなかった。そこで交通会館の三省堂に寄ってテキストを購入。今日はそれだけ。歩くのに疲れた。正直、何ともしまらない一日だった。

2016年9月17日土曜日

イ・ソンヒの童謡「星を見ながら月を見ながら」

イ・ソンヒが歌う童謡、「星を見ながら月を見ながら(별보며 달보며)」(ユ・ソンユン作詞、ユ・ビョンム作曲)は、子どもらしい夢見る思いを、美しくとても幻想的な旋律で運ぶ。

(本ブログ関連:”星を見ながら月を見ながら”)

もしかしたら、夜空を見上げる子どもの瞳をのぞきながら、歌って聞かせる大人の思いかもしれない。子どもの瞳がツルリと澄んで見えるのは、大人のように血管が発達して表面がひずんでないからだそうだ。

誰がどう見たっておじさんだけど、月見のこの時期に少し子どもに戻って、お星様やお月様を見あげてみようかな・・・。


遠くできらめく お星様といっしょに
なかよく親しみ 遊んでみたら
高くて青い天の国 お星様の国
そちらに私も行って 住んでみたら

いつも笑ってる お月様といっしょに
笑えばひそひそと 分かちあってみたら
永遠の笑みの国 お月様の国
そちらに私も行って 笑ってみたら


(Youtubeに登録のmaonsanに感謝)


(付記)
今夕、行ってみようかと思っていた、近くの公園で催される「お月見のつどい」に、少し早めだが昼過ぎ出かけた。その時間にもかかわらず、けっこうな人出だった。祭事が行なわれる広場には屋台が並び、すっかりお祭り気分。もちろん桜見のときとは賑わいが違うけど。

公園の原っぱに、大きな熱気球が駐機していて、5、6人ずつ希望者を乗せては、少しだけ浮かんで降りていた。もちろん、地上からロープで制御しているので、そのまま飛んでいくことはない。何より驚いたのは、ガスバーナー音だろうか、熱気球に熱気を送り込む時、ゴーッという轟音をたてる。その場から離れたところでも、恐竜の雄たけびのように聞こえてきた。

しばらくいたが、長居することなく戻ったけれど。

2016年9月16日金曜日

(資料) 慶州の地震と断層

先日、12日に慶州市で発生したM5.8の地震について記したが、震源地付近を縦断する断層について、朝鮮日報記事(日本版+韓国版)、「東日本大地震時に揺れた梁山断層 - 7.0の強震も起りうる」(9/1​​3 03:05 ⇒ 9/1​​3 09:24修正、パク・コンヒョン記者 , イ・ヨンワン科学専門記者)は、次のように紹介している。(抜粋)

(本ブログ関連: ”(資料)朝鮮半島の最大の地震”、”(参考) 韓国南東の蔚山沖でM5.0の地震発生”)

(参考)
地震、活断層と原発について、朝鮮日報のグラフィックニュース「原発、地震無風地帯ではない」は、「(韓国)国内原子力発電所 現況」を図示している。

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・12日午後、慶尚北道慶州市近くで発生した大型地震について、韓国国内の地震専門家らは「もう韓半島(朝鮮半島)も地震の安全地帯という固定観念を捨てなければならない」と口をそろえた。

・韓国地質資源研究院のイ・ユンス博士は「今回の地震は簡単に言えば韓半島西側にある地殻プレートであるインドプレートと東側の太平洋プレートがぶつかって起こったと言える」と語った。地球は液体状態のマントルの上で巨大な陸地である地殻プレートが接し合っている状態になっている。両側から地殻プレートが押し合うと、弱い所が上下にずれるしかなくなる。その場所こそ今回地震が発生した地域にある「牟梁断層(모량단층)」と「保寧断層 ⇒ 梁山断層(양산단층)」ということだ

(記事中図版) 慶州の大型地震 どのように起った  ← (付近の活断層を図示している)
     ★梁山断層(양산단층)
     ★牟梁断層(모량단층)
        東莱断層(동래단층)
        日光断層(일광단층)
        蔚山断層(울산단층)

・断層とは、外部の力を受けた陸地が二つに断裂してずれたもののことだ。今回の地震は東側の陸地が断層で西側の陸地の上に載って起こった。イ・ヨンス博士は「まず『牟梁断層』で地震が発生、続いて東側の『梁山断層』でも地震が起きたものとみられる」と言った。

・地質学界では「『韓半島は地震安全地帯だ』という固定観念を捨て、地震に関するシステムを全面的に再編すべきだ」という声が強い。今回の地震が発生した慶州一帯の「梁山断層」地域は過去にも地震が発生した記録がある。同研究院のソン・チャングク地震災害研究室長は「地震は、過去に地震発生の記録がある地域で再び発生するのが一般的だ。今回地震を起こした『梁山断層』はいつでも地震を引き起こす可能性がある活断層。これまでの分析では韓半島で起こり得る最も大きな地震はM6.5程度で、一部の学者はM7.0も発生の可能性があると考えてきた。ただ、いつ、どこで地震が発生するかについて予測するのは難しい状況だ」と語った。

・科学者らは「韓半島の地質分析や地震予測システムを全面的に再検討すべきだ」と口をそろえる。今回地震が発生した「梁山断層」は、その近くの原子力発電所建設などにより詳しい調査が何度も行われた場所だ。しかし、従来の方法では10キロメートルよりもっと深い地下で起こる地震の可能性を詳しく分析・予測するのが難しい

韓国では現代的な地震観測が始まって以降、最も強い地震9つのうち4つが最近2年間に集中して発生しているだけに、今後さらに大きな地震が起きる可能性は捨てきれないと言われている。韓国地質資源研究院のソン・チャングク室長は「韓国で地質調査が行われているのは一部地域だけだ。これを機に全国的な調査を急ぐべきだ」と提言した。
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2016年9月15日木曜日

十五夜 2016

今月は、旧暦と新暦がちょうど一ヶ月ずれている。9月15日の今日は、旧暦8月15日にあたる。今夜は、「中秋の名月」で十五夜だ。ただし<満月>は、明後日の17日(土)で、地元公園の催しである「お月見のつどい」は、9月17日(土)、18日(日)に開かれる。

(本ブログ関連:”十五夜”)

健康体操教室の先生が体操の合間に紹介された、地元公園近くにある中華料理店へ行ってみた。話題の通り、店の前に客が並んでいたし、店内も洒落ていて、どちらかといえば洋食屋風だ。おじさんが一人で食べるというより、仲間連れで来るといった雰囲気。とはいえ、おじさんは一人でランチを頼み美味しくいただいたけれど。

その帰り道、十五夜の今晩、お月見の祭りが始まるかもしれないと、地元公園に寄ってみた。まだテントの組み立てに取り掛かったばかりといった様子。そんなわけで、上記の「お月見のつどい」が、明後日以降開かれることを、後で知った次第。

台風16号の影響も受け、秋の長雨がつづくという。幸い、17日の土曜日は曇り空となり、この長雨の狭間で洗濯が可能な唯一の機会かもしれないと、テレビの天気予報で気象予報士が語っていた。だから、お月見の祭りも、17日の夜に公園に行くのがよいかもしれない。

2016年9月14日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 秋の香り

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/7)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<秋の香り>する3曲を紹介した。

始めに、山でパンソリに励んだ宋蟋蟀송실솔)と、文臣の金尚容(김상용、1561~1637)について次のように紹介された。
・パンソリには滝下で励む姿が浮ぶ。滝の大音を突き抜けて、自身の声が聞こえるまで努めてこそ、力ある声が出るという。女性の歌い手もそう練習した。晴雨の日々を滝下で鍛錬し、一年が過ぎた頃、滝の音はなく声だけが聞こえたという。次に、山頂から広い世を見渡しながら、さらに一年を風と戦った。そうして見事な声を身に着けた歌い手が宋蟋蟀だ。彼女の声は、コムンゴやセンファン、トゥンソなど、どんな楽器とも調和した。ちなみに、彼女の名の「蟋蟀」はコウロギの意で、この虫のように清い声の持ち主だったのだろう。

▼ 朝鮮中期の文臣、ソンビの金尚容の定型詩(女唱チルム時調(여창지름시조))を歌にした、梧洞(오동、アオギリ)の木に雨が落ちる「梧洞へ(오동에)」を聴く。悩み深く憂いが続くよう。

続いて、金尚容の詩作で、梧洞(アオギリ)の葉にあたる雨音の持つイメージについて次のように紹介された。
・金尚容の詩作「梧洞へ」(甁窩歌曲集)は、梧洞(アオギリ)の木の歌だ。梧洞に雨粒が落ちる音を聞くと、もともと悩んでいたのが更に悩ましく思えるという内容。梧洞の葉は大きく、雨粒があたる音が大きく響いた。梧洞の葉の雨音も悩ましく聞こえたようだ。昔のソンビは、寝室近くに梧洞を植えない者もいた。

次に、小説の詩からできた歌「秋風感別曲(추풍감별곡)」について次のように紹介された。

▼ 小説の詩を歌にした、秋風を感じる「秋風感別曲(추풍감별곡)」を聴く。気持ちを言葉に、言葉を詩に、詩を歌に。

・「秋風感別曲」の生まれた小説に登場する女性「彩鳳(채봉)」は、「弼成(장필성)」と恋に落ちる。父が不在の間、母の勧めで二人は婚約をしたが、父が戻ると、二人は別れる羽目になる。父は彩鳳を金持ちの家に嫁がせた。紆余曲折の末、彩鳳は<妓生>になる。ある日の夜、彩鳳は張弼成を恋しく思い、「秋風感別曲」という詩を歌う。このように長い物語を歌にしたものを、「誦書(송서)」という。

最後に、演奏曲「水国に秋が来る(수국에 가을이 드니)」について次のように紹介された。

▼ 打楽器テグムとピアノ演奏による、「水国に秋が来る」を聴く。秋風に葉が舞うように、今様に。

・「水国に秋が来る」は、尹善道(윤선도、1587~1671)の漁師の歌、「漁父四時詞(어부사시사)」を基に作られたもので、春夏秋冬で構成された、その中から秋の漁村を表現している。

2016年9月13日火曜日

(雑談) 忘れもの騒ぎ

今日、ある市民講座に出かけた。講座の終わり、いつものようにアンケートへ記入するが、言葉を確認するため手持ちの電子辞書を使った。アンケートを書きあげ、講座資料をショルダーバッグに入れて帰り仕度する。会場出口で、アンケートを事務局に手渡す。無事に。

帰り道、駅前に軽食屋を見つけ、遅い昼食をとることにした。食後、何気なく電子辞書を探したところ見つからないのだ。どうしたことだろうと、バッグの中身を全部出したが無い。

急いで市民講座の開かれた会場へと戻ったものの、主催者は帰った後だった。会場管理の方に同行いただき、座った座席辺りを探したが見つからない。

結局、市民講座主催者へ電話したところ、幸運にも預かっているという返事だった。そこで、主催者のオフィスを訪れて、電子辞書を無事に手にした。すべては、私の迂闊さから、ひとりで大騒ぎしたことになる。

ところで、市民講座は何だったて? 「江戸文学の魅力」として、滝沢馬琴について地元の大学教授が語っていただいたのに、上記の忘れもの騒ぎで、貴重な話しがすっ飛んでしまった。恥ずかしいやら心配やら。

2016年9月12日月曜日

韓国・慶州で地震: M5.8の地震、観測史上最大規模

今晩、午後7時と8時に、韓国慶尚北道の慶州市で、M5.1と韓国観測史上最大のM5.8の地震が発生した。先の7月5日にも、蔚山沖でM5.0の地震が発生しており、これら地域には多数の原子力発電所が存在する。

(本ブログ関連:”(資料)朝鮮半島の最大の地震”、”(参考) 韓国南東の蔚山沖でM5.0の地震発生”)

聨合ニュースの記事、「韓国・慶州でM5.8の地震 韓国観測史上最大規模」(9/12、22:12現在)は、次のように伝えている。

(参考)
・ USGS【米地質調査所】: ”M5.4 - 8km S of Kyonju, South Korea
・ 韓国気象庁【KMA】: <Select>欄より該当日時の地震を選択 M5.8  ⇒ USGS: M5.4

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・韓国気象庁によると、12日午後8時32分、南東部の慶尚北道慶州市を震源とするマグニチュード(M)5.8の地震が発生した。M5.8は韓国で観測史上最大規模。

・これに先立ち、午後7時44分には同市を震源とするM5.1の地震が発生した。この2回の地震で、慶尚南道、慶尚北道、忠清南道、忠清北道、大田市、済州島、釜山市、蔚山市、江原道、ソウル市、世宗市など全国で揺れが観測された。

・午後9時現在、人命被害はないが、慶尚北道と蔚山市の一部地域で住宅に被害が出たもようだ。
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秋の景色

小学校の垣根の下側を、腰を曲げるようにして覗き、携帯電話のカメラで写真を撮っているおじさんがいた。何ごとかと見ると、おじさんの足元に真っ赤な花弁を冠した「曼珠沙華(ヒガンバナ)」が4、5本密集していた。この時期、もう曼珠沙華が咲いているのかと驚く。

秋にはいつも、行ってみようと思いながら果たせないことがある。秋らしい景色巡りだ。「高尾山」のケーブルカーの急傾斜の線路を囲むように続く紅葉(もみじ)は、いささか人工的ながらも豪華だ。また、西武線高麗駅そばにある「巾着田」に広がる曼珠沙華の花々は、一種宗教的であり、幻想的ですらある。

欧米の秋の景色に黄葉はあっても、日本の紅葉の独特な美しさはないという。緑に黄が色づいた木の葉に、紅色が加わると、躍動感が出て、きらびやかさが増すというもの。山の斜面を曲がりくねりながら、向かいの斜面の色づきの変化を楽しむのも秋ならではである。

毎年、巾着田で催される「曼珠沙華まつり」は、今年は9月17日(土)から10月2日(日)までとのこと。曼珠沙華の紅蓮の色に、女性の深い情念のようなものも感じることがある。しかしながら、女性からそんなものをいただいたことがないのが残念である。

2016年9月11日日曜日

イ・ソンヒの「秋の風」

秋も深まり、寒さが気になる。肘のあたりに冷えを感じる。昔はそうでもなかったのに、年々歳々敏感になる。といって、長袖服を着るのは暑苦しい。

風の音に秋の気配を感じるより、肘の冷えで秋を納得するとは自分らしい。寒さより、まだ暑さの方がましといって、春と秋を好んだが、秋について覚束なくなった。このまま冬に進んでしまうようで、秋を楽しむ知恵を取り戻さないと少々心配。

イ・ソンヒの2集に収録の、「秋の風(カルパラム、갈바람)」(1985年、作詞チョン・ウニ、作曲ナム・クギン)は、初期作品とは思えない風格を感じる。若さに力いっぱい叫ぶでもなく、秋をじっと見据えるように歌う。ところで、<四季>をテーマにした今回9月のコンサートで、この歌が歌われなかったのは不思議。

(本ブログ関連:”秋の風(カルパラム)”)


小さな胸にこんなに、しみじみ恋しさ残して
去ったあなたは 風、寂しさくれた 「カルパラム」

今も目元を巡る、あなたの暖かかったあのまなざし
こころ、何度も何度も、恋しい翼を広げさせるよ

ああ、あなたは 「カルパラム」、雲を作る 「カルパラム」
ああ、あなたは 「カルパラム」、こころ奪った 「カルパラム」

小さな胸にこんなに、しみじみ寂しさ残して
消えたあなたは 風、寂しさくれた 「カルパラム」
寂しさくれた 「カルパラム」


(Youtubeに登録の사사구통に感謝)

2016年9月10日土曜日

他所の町の秋祭り

最近、空を見上げると、低層雲と中高層雲が絶妙にバランスして、くすんだ雲の上に積乱雲が見えたりする。あるとき、薄浅葱色した低層雲の上に、純白の積乱雲が照り返して神々しく見えた。ヒマラヤの高峰を想像したりもした。行ったことはないけれど。

そんな空の気配に誘われて、自転車でちょいと遠出してみた。といって、電車駅を3駅ほどの距離。通りがかりに気付くことだが、途中、鉄道の操車場があり、跨線橋から眺めれば、しばらく子どもに戻ることができる。土曜日の午後のせいか、操車場はがらんと空いていた。

目的があって遠出したわけではない。ぶらり近在巡りしただけ。そんなとき、神社や町内会の祭りの賑わいと出会った。露店が連なった神社の境内は客であふれていたし、駅裏の商店街に特設のテントに大型と小型の御輿が2基あって、はっぴ姿のおじさんや子どもたちが群がっている。まさに出立直前のようだ。

さてわが地元、まだ祭りの気配がない。それとも気付かないのか、知らないだけか。他所の町で祭りに出会って、あわてて身近を探すのだから、しょうしょう粗忽。明日にでも、町を巡ってみようかな。

(資料) 韓国の高齢化 (2015年)

高齢化については、その予兆を先日(9/4)のイ・ソンヒのコンサート会場で微妙に感じた。(中高年ながら)メインの客層である、おばさんたちのパワーが全開していたからだ。他方、(私のように)おじさん一人で呑気にコンサートに来るような姿はほとんど見かけなかった ・・・ イ・ソンヒファンの奥さんに付き添うように来場しているおじさんばかり、高齢化社会での彼らの立ち位置が見えてくるようだった。

イ・ソンヒは、いよよ輝きつづけながらも歳月の歌手になったと思う。

(本ブログ関連:”イ・ソンヒ 22年振りにTVコマーシャル出演”)

中央日報の記事、「『高齢韓国』 ”中位数年齢”、初めて40代超」(9/7)は、韓国統計庁発表の「2015年人口住宅総調査」結果について、高齢化が一層深まりつつある状況を次のように紹介している。(改行、箇条書きなど改変を容赦)

ちなみに、韓国の高齢化は日本以上に加速している。

(本ブログ関連:”韓国の高齢化、少子化”)

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・「2015年人口住宅総調査」(韓国統計庁、5年周期で実施)結果を7日公表。
- 高齢社会がすぐそこまで来ている。
- 65歳以上の人口は657万人/全体人口の13.2%
- 中位数年齢は初めて40歳を越えた。


・中位数年齢(年齢順に並べた時、中間にいる人の年齢)
- 2005年 35.0歳、
- 2010年 38.2歳、
- 2015年 41.2歳

・65歳以上の高齢人口
- 2010年 536万人
- 2015年 657万人

・全体人口のうち、65歳を越える人が占める比率
- 2010年 11.0%
- 2015年 13.2%

・国連による分類 65歳(以上)人口比率
-「高齢化社会」:   7%以上 ⇒ (正確には”超え”)
-「高齢社会」:    14%超え
-「超高齢社会」: 20%以上 ⇒ (正確には”21%超え”)

・韓国は
- 2000年: 「高齢化社会」に突入
- 「高齢社会」が目前まで迫ってきている。
- 今の速度なら「超高齢社会」に入るのも時間の問題
    すでに全羅南道地域は、65歳人口の比重が21.1%の「超高齢社会」に入った。

・30年前と比較
- 0~14歳の幼少年人口: 518万人減少 (2010年に比べ97万人減少)
- 65歳以上の高齢人口:   482万人増加 (2010年に比べ121万人増加)

・年齢構造
- 40~50代の人口が最も多く、壷型人口ピラミッドを示す
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2016年9月9日金曜日

【大衆音楽家列伝】 イ・ソンヒ

釜山日報の連載の「大衆音楽家列伝(대중음악가 열전)」は、まさにイ・ソンヒのコンサート(9/2~4)直前の絶妙なタイミング(9/2)に、彼女の音楽活動を振り返る、「【大衆音楽家列伝】25.イ・ソンヒ」(チェ・ソンチョル、ペーパー・クリエイティブ代表)の記事を掲載した。

内容は、イ・ソンヒが歌謡界にデビュー以来、現在にいたる音楽活動の小史であり、正規アルバムをもとに彼女の代表的な曲目を網羅している。コンサート後になったが、次に載せさせていただく。感謝。

次の記載の曲目と、今回9月のコンサート曲目を合わせて聴けば、イ・ソンヒの全体像を素早く理解することができるでしょう!

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小さい体躯で爆発的歌唱力… 「Jへ」ただ一曲でスターダム

(写真:略) ▲ 私たち大衆音楽の「ガール・クラッシュ」の元祖、イ・ソンヒは歌を運命のように思って生きてきた(デビュー以来)32年、この時代の名歌手だ。

・最近、よく話題になる単語の中に、「ガール・クラッシュ」(Girl Crush)という言葉がある。少女(Girl)と、「惚れる」意のクラッシュ・オン(Crush On)を合成した言葉で、女性が同性に感じる、性的な感情を伴わない強い好感と定義する。かくのごとくクラッシュの魅力に陥ったせいだろうか。最近、音源チャートの上位圏、および長期ランク(イン)の女性歌手だけで何と100人余りに達する。私たちの大衆音楽のガール・クラッシュ(一目惚れした少女)の元祖は、イ・ソンヒだ。

■ 「姉さん(オンニ)部隊」、追いかけ回しクラッシュ

・仏教音楽「梵唄」の伝授者の父をもつイ・ソンヒは、幼い時から歌手の才質(才能と気質)を見せた。大学1年のとき、「4幕5場」という校内音楽サークルに入り、父が反対した歌を思う存分歌うことができるようになったし、<江辺歌謡祭>に出場する冒険も敢行する。1984年夏、MBC江辺歌謡祭に、パーマヘアーに角(つの)製の枠メガネをかけた少女が登場する。イム・ソンギュンと共に「4幕5場」という混成デュエットで参加した彼女は、小さい体躯に似合わない爆発的な歌唱力で大賞を射止める。受賞曲は、「Jへ」であった。その日を起点に、歌謡界は波打つ。 イム・ソンギュンの入隊で、ソロとして本格活動に乗り出したイ・ソンヒの人気は想像を超越した。

(本ブログ関連:”イ・ソンヒと仏教音楽”、”梵唄”)

江辺歌謡祭の大賞受けて、ソロ活動
大規模の「姉さん部隊」で、時代のアイコン
ゴールデン ディスク、5連覇の「珍記録」

ソン・シヒョンと出会って、4、5集で音楽的変化
香港俳優の張國榮(レスリー・チャン)とデュエット・コンサート
「その中であなたに出会って」、感性際立つ

・当時、或る放送会社でデビューした歌手は、別の放送会社に出演できないという慣例を破って、「Jへ」は、KBSの「歌謡トップ・テン」で5週連続1位を占めており、1984年の最高のヒット曲になった。年末、KBS歌謡大賞と、MBC「10代歌手歌謡祭」の新人賞、やはりイ・ソンヒが占めた。当時、歌謡界の厚いファン層である女子中高生の愛を一人占めした男性歌手全盛の時代に、ディーバ(歌姫)の出現は歌謡界はもちろん、女学校にも新鮮な風になった。

・イ・ソンヒは、数多くの女学生ファンを同行するガール・クラッシュのアイコンで、爆発的な人気を享受した。チョー・ヨンピルの「兄さん(オッパ)部隊」を威嚇した「姉さん(オンニ)部隊」、幼い女子中高生が公演会場で兄さん(オッパ)の代わりに姉さん(オンニ)を叫ぶようにさせた主人公、イ・ソンヒの事務所から金を払って人を動員したという流言飛語(デマ)まで飛び交うほど、当時の「姉さん部隊」の火力は途方もなかった。

(本ブログ関連:”姉さん部隊”)

■ ソン・シヒョンと共に変曲点、確かに

・「Jへ」ただ一曲で、1984年を自身の年にしてしまったイ・ソンヒの正規1集「イ・ソンヒ1集」(1985)は、(江辺歌謡祭の)翌年の1985年初め(1/25)に現れた。ここで、「あ! 昔よ」、「葛藤」、「少女の祈り」などが相次いでヒットし、彼女は自身の人気が「Jへ」の一回だけで終わらないことを立証した。その年が過ぎ行く前(11/25)に、再び出した2集「イ・ソンヒ Vol.2」(1985)では、「秋の風」、「ケンチャナ(大丈夫)」、「そう誤りは私にあります」などのヒット曲が引き続き出ており、1986年に出した3集「イ・ソンヒ3集」(1986)でも、「分かりたいです」、「暗闇は晴れて」、「ヤング」などが多く愛(=支持)を受けた。

・ゴールデン・ディスクの5連覇を始めとして、国内にある全部門の賞を全て受賞する珍記録をたてたりもする。以後、「イ・ソンヒ4集」(1988)は、イ・ソンヒのディスコグラフィーで非常に重要な位置を占める。彼女の音楽が意味ある変曲点を迎えたためだ。その変化の端緒を説明する(人物の)名は、ソン・シヒョン(송시현)だ。

(写真:略) イ・ソンヒの音楽世界で意味ある変曲点になったアルバム「イ・ソンヒ4集」

・1987年、「夢みるような世界」のヒットで名を告げたシンガー・ソングライターのソン・シヒョンは、この時からイ・ソンヒのアルバム作業に参加し始める。4集で、A面のタイトル曲「愛が散るこの場所で」と、B面タイトル曲「私はいつもあなたを」を含めて、全て4曲が彼の作品だ。二人の出会いは成功した。ソン・シヒョン特有の感受性と叙情性は、イ・ソンヒの声とよく交わったし、以後も彼はしばらくイ・ソンヒと共に行動することになる。翌年、「イ・ソンヒ5集」(1989)で、イ・ソンヒはアルバムのここかしこに社会性の濃厚な曲を配置した。「五月の陽差し」は1980年の光州民主化運動の犠牲者の英霊を慰める曲であったし、「ひとしきり笑いに」も、やはり時代的痛みが滲んだ曲だった。通常の民衆歌謡に劣らず、深くやさしいものだった。

(本ブログ関連:”ソン・シヒョン”)

・ソン・シヒョンは、5集でも中枢的な役割をした。アルバムの代表曲である「ひとしき笑いで」と、「冬哀傷」は彼が作った曲だ。同年、チョコレートCFで最高の人気を謳歌した香港の故張國榮(レスリー・チャン)が初めての来韓する。張國榮は、イ・ソンヒと「Jへ」をデュエットで熱唱して、デュエット・コンサートを開いた。

・その縁で、張國榮は、後日イ・ソンヒを香港に招待する格別な親交を誇示したりもする。この時期に、香港BMGレコードを通じて、「It's Original Songs」というアルバムに、「Jへ」を収録発表し、英語で自身のヒット曲を翻案して歌った「Where The Love Falls..」(1989)などのアルバムも発表する。

(本ブログ関連:”張國榮 (レスリー・チャン)”)

・1990年の6集「イ・ソンヒ Ⅵ」(1990)では、「思い出のページをめくれば」が愛(支持)を受けたし、「去る者だけが愛の夢を見ることができる」という自作詩朗唱集と、カナダのモントリオール室内楽団と世宗文化会館で共演後、その実況アルバム「Lee Sun Hee ; Montreal Chamber Orchestra」(1990)を発表する。7集の「思い出の中を歩くのね」(1991)、キム・ヨンドンの国楽的な要素をたっぷり入れた8集の「李仙姫 八」(1992)、「イ・ソンヒ愛唱童謡」(1993)、9集の「イ・ソンヒ 9」(1994)、そして、多くの曲を自ら作詞/作曲したアルバム10集「First Love」(1996)を着実にリリースして、以前とは違った成熟した歌をリリースし始める

■ あらゆる悪材料の中、挑戦は続く

・人気の下落と激しい浮上など、悪材料の中でも彼女の努力は続いた。11集以後、3年振りに発表した12集の「E Sunhee  My Life + Best」(2001)で、自作曲「離別小曲」と、パク・チニョンの「生きてみると」、ユ・ヨンソクの「この歌をかりて」、キム・ジョンソの「多分(アマ)」など、11曲の新曲とベスト16曲を入れて新しい活動の序幕を知らせた。2005年、<四十代に迎える春>の意を暗に盛り込まれている13集の「四春期」(2005)は、イ・ソンヒの自作曲である「因縁」をはじめとして、9曲の新曲と20周年ライブ コンサート実況の17曲を入れた。10集から始まったシンガー・ソングライターの面目が、円熟の段階に入り込んだことを意味する真の傑作と評価を受けた

・1990年代以後、7集から始まったやむ得ない大衆的反応の退潮にも、イ・ソンヒは堅忍主義的姿勢で、自身の音楽的内容を執拗に発展させる。2009年、デビュー25周年を迎えて、新しい音楽的感性の10曲をアップグレードした自作曲で満たした14集「愛よ…」(2009)を発表し、活動を再開した。

・5年後、正規15集アルバムであると同時に、デビュー30周年記念スペシャルのアルバムである、「セレンディピティ Serendipity」(2014)を通じて、「女王の帰還」を知らせた。  

・彼女の音楽的力量が最高に発揮された今回のアルバム(15集)、果たせるかな、11曲中9曲が自作曲だ。「その中であなたに出会って」など、より一層円熟した深みある音楽と、限りなく繊細で感性的なボーカルを披瀝し、専らイ・ソンヒだけが出すことのできる感性を表わした。偶然を通じて運命に出会うという<セレンディピティ>の意のように、音楽に出会って歌を運命のように感じて生きてきた32年目の私たちの時代の名歌手イ・ソンヒ、どんな音楽においても輝く彼女の声と表現は拒否できない永続の美学であろう。  
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2016年9月8日木曜日

<未聴取> KBS WORLD「国楽の世界へ」 伝統舞踏

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/31)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、伝統舞踏に関連する3曲を紹介した。

<未聴取>のため、韓国語版記事より転載、一部追記。(舞踏成立の時期は意外と新しい)

僧舞(승무)の踊り、詩人趙芝薫(조지훈、1920年~1968年)の詩「僧舞」
・「僧舞」は、僧侶が舞う踊りの意だ。しかし、寺院で ​​仏教の儀式に僧侶が舞う踊りは、通常「作法」という。一般の僧舞は、民間で僧侶の服飾を取り揃えて舞う踊り(1936年公演~)をいう。長衫の長い袖をはためいて舞う踊りと、踊りの終わりに法鼓を打つ部分が印象的である。
・詩人の趙芝薫は、(京畿道)華城の龍珠寺で開かれた斎儀式で、作法を見た感動を込めて「僧舞」を書き、多くの人が愛唱する詩のひとつとなった。

サルプリ伴奏音楽(살풀이 반주음악)
・「煞(さい、살)」は、人をはじめ生物や物に危害を及ぼす悪い気運をいう。サルプリは、巫俗(シャーマニズム)で、その悪い煞の気運を解きほぐす(厄払いする)ことをいい、現在伝承されているサルプリの踊り(1903年公演~)は巫俗に起源を置いたものもあり、専門芸人たちが妓房で踊ったものを舞台化したこともある。白いチマチョゴリに手拭(てぬぐい)を持って踊る。

倡夫打令(창부타령)
・「倡夫打令」は、京畿道地方で広く歌われてきた民謡で、本来、倡夫祭儀(창부굿)で歌われた巫歌が広く伝わって変化したものである。倡夫は祭儀(굿)をするときに楽器演奏する人をいい、そのような人々を守護する「広大(カンデ:芸人)神」を意味することもある。
・「扇舞(부채춤)」は、代表的な伝統舞踊と指折り数えられるが、本来、1950年代に金白峰(김백봉、1927年~)が創作した踊りで、主に倡夫打令や漢江水打令のような京畿民謡の器楽曲を伴奏音楽として使用する。

2016年9月7日水曜日

白露 2016、それに雑談

今日は、二十四節気の「白露(はくろ)」。露(つゆ)が出て辺りが白めくというが、実際は残暑厳しく汗だくだった。ところで、白露って何だか酒の銘柄のよう ・・・ 日本酒に「白露(しらつゆ)」がある。

(本ブログ関連:”白露”)

イ・ソンヒのコンサートに合わせて、ちょっと街巡りをしたとき、強い陽射しに大汗をかいた。今年最大の汗っかきで、シャツがびしょ濡れになり始末に困った。

そんな街巡り以来、体が快調なのだ。年に一度、自然に大汗をかくのはいい。今日の健康体操教室で、いつも苦心する動作がスムーズになったし、一日中、大汗をかいている。

大汗には効用がある。とくに、おじさんは色々なものをため込む。腹にため込んで膨らみ、頭にため込んで悩む。汗は、そんなため込んで、発酵?したものをきちんと洗い流してくれるようだ。

2016年9月6日火曜日

ナット・キング・コールの「枯葉」

昔から秋の入り口は、青春に失ったものを気付かせるようです。夏の思い出、実に明解です。

窓辺に紅葉の散るのを見れば、失ったものの大きさが分かるというもの。それに、秋は冬につながり、後戻りできません。寒さを耐え忍ばねば、やがて春は来ないのです。でもその前に、クリスマスの頃、孤独をもう一度痛感することでしょう。そして、家族の暖かい暖炉に心休ませることでしょう。

その点、おじさんは遠の痛みを忘れて知らず、秋の紅葉を楽しみに待つだけです。ちょっと青春を思い出し、懐かしんでみるのもよいかもしれません。苦味のある料理を通好みするのも、大人ですから。

ここに、味わい深い歌い手がいます。ちびりちびり酒を飲みながら、ナット・キング・コール(Nat King Cole)の洒落た「枯葉(Autumn Leaves)」に酔ってみたいものです。

(本ブログ関連:”ナット・キング・コール”)

(Youtubeに登録のnick tsourmasに感謝)

2016年9月5日月曜日

イ・ソンヒのコンサート「The Great Concert」の翌日: 中古LP、CDを探す

イ・ソンヒのコンサート「The Great Concert」の翌日、彼女の中古LP、CDを探したのですが・・・。
その結果を、9/5帰宅してレポートしようと思ったのですが、9/6の午前0時04分に着きましたので、9/6に追記します。
⇒ ブログの日付(9/5付け)はいじった結果です!

■ コンサート以外の行動について(4日、5日まとめて)

といって、一泊二日のため、行動範囲は極端に狭い。

4日、チェックインすると、すぐそばにある教保文庫へ出かける。もちろん日本語訳でしか読んだことのない韓江の「菜食主義者(채식주의자)」を、お土産のつもりで原本購入。書店のいたるところに陳列されている。(ちなみに、韓国のニュースでは、この作品が「ブッカー賞」を受賞したと略して言うが、ブッカー賞の外国賞である)
なお、同書店のCD売り場は、極端に縮小して、当然ながらイ・ソンヒのCDも置いてない。

5日、地下鉄明洞駅から地上に出て、暑い陽射しの中を歩き、会賢地下商店街(회현지하상가)にある、複数の中古LPレコード商店を巡る。すでに入手したものばかり、目新しい?ものを見つけるのが難しい。ただし、一軒で、イ・ソンヒの8集LPを購入する。
イ・ソンヒのアルバムで、LPで発行したのは、この8集までで、以降はCDで発行になったという。

いくつか、イ・ソンヒ関連の書籍・雑誌リストを作っていたが、以前訪れて不発だった東大門近くの古書店街以外にあてもなく、中古LP店の主人に相談したところ、教保文庫へ行けばなどいう始末。

とにかく、心配した台風12号の影響は全くなかった。その分、猛烈な暑さで、街をテクテク歩くのは辛くて断念。あちらこちらにコーヒーショップがあるので、見つけてはそこで体を冷やした。


■ 余談

ところで、4日のコンサートの終了のこと、会場を出ようとしたら、ロビーにおばさんたちの長蛇の列ができていた。興味しんしん、何ごとかと思えば、イ・ソンヒがテレビCFに出た中高年女性向けの健康飲料サンプルを無償配布していたのだ。イ・ソンヒは、もしかしたらターゲットを絞ったのだろうか・・・。

2016年9月4日日曜日

イ・ソンヒのコンサート「The Great Concert」

今夕(9/4)のコンサート観覧から帰宅後、9/5に追記します。
⇒ しかし、9/5帰宅のつもりが、9/6の午前0時04分に着きましたので、9/6に追記します。

カメラをホテルに忘れた(もちろんスマホは持っていません)ので、会場の映像はありません。

(本ブログ関連:”●資料:이선희 Concert”)


開場1時間前、世宗文化会館大劇場のロビーはすでにひとびとであふれていた。前回、2014年のコンサートと比べて、若者客が若干少ないよう。イ・ソンヒが出演したCFではないが、歳月に合わせた客層主体になっていた。何となく感じたことに、そこかしこに彼女に似た髪型とメガネ姿の女性たちがいる。イ・ソンヒの持つ普通らしさと、まるで申し合わせたように。

(本ブログ関連:”The Great Concert”)

今回は、<四季>をテーマにしているという。まさに、秋に相応しい彩が舞台にあふれた。春夏秋冬そして秋、かもしれない。

イ・ソンヒを紹介するアナウンスにつづき、舞台袖でスポットライトがあたったのは、テレビドラマ「茶母(다모、邦題:”チェオクの剣”)」で、渋さと聡明さを演じたイ・ソジンだ。このドラマにインスピレーションを得て作られたのが、イ・ソンヒのヒット曲「因縁(인연)」である。

(以下、イ・ソンヒが歌った曲について記す)


イ・ソンヒのコンサート「The Great Concert」はこの「因縁」の歌から始まった。もうこのときから、会場はペンライトで揺れる。

東洋的な旋律の余韻に続くように、映画「炎のように蝶のように(불꽃처럼 나비처럼)」の同名主題曲を歌った。舞台は、東洋画一色に染まる。

その後、代表曲の「少女の祈り(소녀의 기도)」、「私はいつもあなたを(나 항상 그대를)」と続く。

しっとりした懐旧の歌、15集収録の「今になって(이제야)」をライブで聞くとは、胸に沁みます。

突然、舞台に雪が降る。何なのかと期待すれば、2013年に幼い少女たちを熱狂させた、あの雪の世界のアニメから・・・お分かりでしょう。

そして冬には、代表曲の「冬哀傷(겨울애상)」だ。冬なのに、彼女の歌声にはほっとする。

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アコーディオン(小型の「コンサーティーナ」のような)を中心に、ヴァイオリン、コントラバス、ピアノ編成の四人組による伴奏で、ときにタンゴ風に。(15集収録メンバーと同じ?)

まな弟子イ・スンギが主役の一人を演じた、テレビドラマ「僕の彼女は九尾狐(내 여자친구는 9미호)」のテーマ曲「狐の嫁入り(여우비、天気雨)」を歌った。

まるでヨーロッパの街を眺めるように、15集収録の「街の眺め(거리구경)」を歌う。

次に、「あなたが私を愛されるなら(그대가 나를 사랑하신다면)」をタンゴ風に軽快に、愛の確信を得たい心情を歌う。
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15集収録の、さまざまな人生を感動的に歌った、「その中であなたと出会って(그 중에 그대를 만나)」は、世界に感情の渦を巻き起こした。その名曲を会場で再び聞く事ができるとは。


【イ・ソンヒがしばらく退場する幕間】
・若い女性歌手(ソロ歌手とガールズ・グループ(LABOUM?)歌手)たちの歌。イ・ソンヒの昔の映像、詞など。


先輩歌手ソン・チャンシクが歌う彼の「私たちは(우리는)」(1986年)の投影が始まると、イ・ソンヒが登場して、画面に向かってデュエットを始める。以前、デュエット番組の紹介に、この二人による同じ構図のものがあった。感動的だった。

そのデュエット番組の本放送で歌った、名曲「分かりたいです(알고싶어요)」を、そのときのデュエット相手のイェジン嬢と共に歌う。番組とは違い、イ・ソンヒはプロの舞台を教えてくれたようだ。

「ケンチャナ(괜찮아)」を歌うと、この頃から観客は沸き、総立ちになる。熱狂は止まず終わりへと流れ込む。圧巻のまま、「ひとしきり笑いに(한바탕 웃음으로)」を歌う。

怒涛の勢いは続く。「炎のように(불꽃처럼)」、「葛藤(갈등)」。いよいよ終わりを迎えて、この国の人々を最大に熱狂させる曲、「美しい江山(아름다운 강산)」が歌われ、クライマックスを迎えた。

静かに暗転する舞台。会場のアンコールに応えて歌われたのは、まさにイ・ソンヒを示す、「Jへ(J에게)」だった。歌の始め、マイクを会場へむけると、観客は一斉に声をあげて歌いだした。そして、コンサートの本当の終わりを告げるように、彼女の歌声が会場に響いた。

2016年9月3日土曜日

ひと安心、台風12号の進路

イ・ソンヒのコンサート「The Great Concert」(9/2~4)の最終日の明日(9/4)出かける。4日の午前の空は、東京:曇り、ソウル:晴れ、帰りの5日の夜は、ソウル:晴れ、東京:雨。

気象庁:台風12号進路予想図
問題は、台風12号の進路だ。気象庁の台風12号進路予想(9/3、17:00)を見ると、4日午後に鹿児島県の薩摩半島の東沖から、5日午後には山口県の響灘の東沖を東北へ進むようだ。

台風12号の進む速度が意外に遅いので驚いた。9/1の予想と比べて、1日ずれてゆっくり移動している。この調子でいけば、航路が羽田⇔金浦間を直進のため、直接12号の影響を受けずに済みそうだ。

これまで複数の台風が災害をもたらしているのに、のんきなことを言っていいのかためらいながら・・・。ともあれ、ひと安心している。

2016年9月2日金曜日

イ・ソンヒの「Jへ」

イ・ソンヒの、歌謡界の出発点であり、歌姫として歌い続けるバックボーンの曲、それは「Jへ(J에게)」である。
1984年7月29日(日)、春川の南怡島(남이섬)で開かれた「江辺歌謡祭」に登場したイ・ソンヒは衝撃的だったし、その後次々と歌謡祭を制覇した。

彼女のコンサートに不可欠な、観客の青春を呼び覚まし熱くさせる歌、それが「Jへ」である。ステージで威風堂々歌う彼女の姿は素晴らしい。今回のコンサートで聴けるのを楽しみにしている。

(本ブログ関連:”Jへ”)


J 撫でる風に、J あなた想えば
今日も静かに、あなた 偲ぶわ

J きのうの夢に、J 出会った面影
わたしの胸に、染まっているのよ

J きれいな夏の日、遠く消えたとしても
J わたしの愛は、今も変わらない

J あなたを永久(とわ)に
J あなたを愛して
J ともに歩いた、J 思い出の道

わたしは今宵も、寂しく歩くのね
寂しく歩くのね

(Youtubeに登録の한서연に感謝)

2016年9月1日木曜日

台風12号とコンサート

心配なことになった。実は、ようやくチケットが入手できた、9月のイ・ソンヒ コンサート「The Great Concert」(9/2~4)の最終日(9/4)当日に出かけようとしていたのに、空模様が怪しくなってきたのだ。

(本ブログ関連:”The Great Concert”)

気象庁:台風12号進路予想図
気象庁の台風進路予想(9/1、18時現在)を見ると、台風12号は、9/4に対馬海峡の上空にある模様だ。その影響で、フライトが中止になったら、せっかくのチャンスを台風に吹き飛ばされることになる。

先の5/10に先生にお願いして、やっとコンサート観覧の機会を得たのに・・・それも、9/4当日の席しか予約できなかったというに。

おまけに、今日予定していた「砂金採集」も延期している。その上、フライト中止になんてことになったら、12号台風が恨めしいことだろう。何としてもコンサートには行きたいのだ。

といって、台風の進路が東にそれても、早く来ても日本にとってありがたいことではない。全く悩ましいことだ。

(雑談)今年も三分の二が過ぎた

今年もとうとう三分の二が過ぎた。リンゴを食うのに例えてみれば、残り三分の一しかない僅かさを知る。美味いと思ったわけでもないのに、あっというまに食っていた。

夏らしい陽射しが残って、まだ一年の半ばの気がするが、カレンダー(陽暦)では、6月を遠に過ぎ、すでに2ヶ月を経過した。ずっしり重かった、日めくりカレンダーがどうりで軽くなった訳だ。

気象庁の四季の区分では、春(3~5月)、夏(6~8月)、秋(9~11月)、冬(12~2月)となる。春を始まりとする感覚に沿う。ただし昔のように、春を旧暦1~3月にすると、四季の区分も違ってみえる。そのためか、季節用語と季節の実感が微妙にずれる。

あっというまに過ぎて余すところ3ヶ月だが、今年も久し振りにイ・ソンヒのコンサートに出かける。世宗文化会館でのコンサートに、2009年以来、4回目の観覧となる。私なりに、今年記憶に残るものになりそうだ。(これを言いたかったみたいかな)