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2016年6月16日木曜日

映画「チャンス商会 ~初恋を探して~」

中央日報(日本語版)の【中央時評】は、「人口の崖」の素顔の一つに高齢化・少子化をあげている(6/7、(1)(2)、ノ・ソクギュン嶺南大総長)。(抜粋)
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・大韓民国が速いペースで高齢化している。統計庁によると、65歳以上の高齢人口比率が、2015年(昨年)13.1%(世界51位)だったが、2060年には40.1%(世界2位)に上昇する見込みだ。

・さらに世界最低水準の出生率(1.24人)が重なり、生産可能人口(15~64歳)比率は、2060年に49.7%と、人口全体の半分以下に落ちると予測されている。このままでは生まれてくる子どもたちが高齢社会の負担をそのまま抱えることになる。韓国の存立自体を根本的に脅かすものだ。
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(本ブログ関連:”高齢化”、”少子化”)

韓国の高齢化・少子化のスピードは、日本を上回る(少子化)ともいわれている。特に、高齢化の張本人たる戦後(日本は太平洋戦争後、韓国は朝鮮戦争後)のベビーブーム世代にとって知らぬ振りできぬ課題がある。いずれ訪れる痴呆問題だ。高齢化がなければ知らぬに済んだかもしれないが。

昼過ぎ、韓国文化院で「2016年 韓国映画企画上映会」があって、家族愛を描いた「チャンス商会~初恋を探して~(장수상회)」(Salut D'Amour: 愛の挨拶)を見てきた。

再開発問題で揺れる下町にあるスーパー「チャンス商会」で、頑固で周りに波乱を引き起こす主人公の老人キム・ソンチルが働いていた。独り身の彼は自分の怒りに、日頃の物忘れと照らして何か不安を感じていた。それでも、彼を見守る町の人々は優しかった。特にスーパーの若い社長とその娘も、真向かいの花屋の女主人とその娘も、そして周りの人たちも。
老人は、そんな花屋の女主人の優しさに、次第に心を寄せていく。しかし、彼女は癌におかされていた。病院に駆けつけた老人は、そのとき<初めて>衝撃の事実を知らされる。

家族の愛とは何かを問いかける。もっといえば、家族の形とは何かから始まる。当り前と思っていることが、当り前でなくなる痴呆を物語に重ねると、家族の世界はがらっと姿を変える。それでも、愛で包み、見守ることができる最後の絆は家族かもしれない。

「チャンス商会」の「チャンス(장수)」は、スーパーの社長の名前がキム・チャンスだからだろうが、「長寿(장수)」の意にも通じる。この映画は、目尻に少し流れるものがあったとしても、誰にも共通する家族の、自身の問題を扱っている。決して大袈裟でなく。

せつなさと笑いが親和する二つの映画、「怪しい彼女」が母に対してなら、「チャンス商会」は父に対する家族のオマージュかもしれない。なぜなら、家族はいつも父や母の生き写しなのだから。


(Youtubeに登録のCJ ENM_Movieに感謝)

(付記)
映画を見る前に、新宿HISで、9月4日のイ・ソンヒコンサートへの旅行(1泊2日)を相談をしてきた。コンサート当日、会場の世宗文化会館近くに宿をとれればと思っている。